これはサンプルです。実在の企業の診断結果ではありません。診断書の書式・内容・試算の粒度をご覧いただくために、金属加工業を想定した架空の企業「株式会社サンプル精密」をモデルに作成した見本です。実際の診断では、御社の業務を実際にお聞きしたうえで数字を入れます。

業務AI化診断書

株式会社サンプル精密 御中
業務の棚卸しとAI化ロードマップ

作成: KUROO 診断日: 2026年7月17日 ヒアリング: 60分(社長・事務3名) 文書番号: SAMPLE-001

1. 診断サマリー

毎月くり返している定型業務を8つに分解し、それぞれ「誰が・月に何時間・いくら分」使っているかを金額に直しました。そのうえで、AIと小さな仕組みで減らせる分だけを削減見込みとして計上しています。減らせないものは減らせないものとして、そのまま残しています。

株式会社サンプル精密の定型業務コスト(現状 → AI化後)

現在かかっている定型業務

138時間/月

人件費換算 月42.3万円 / 年508万円

AI化で削減できる見込み

78時間/月

月22.6万円 / 年272万円(削減率57%)

残る作業(人がやるべき分)

60時間/月

確認・判断・現物確認は人が担当

所見

事務3名の稼働のうち、月に約100時間が「転記」と「集計」に消えています。これは人の能力の問題ではなく、取引先ごとに注文書の書式が違う・作業日報が紙であるという入り口の設計に起因するものです。AIを入れる前に書式を揃えるだけで一定量は減りますが、取引先の書式は御社では変えられないため、ここはAIの読み取りが最も効く領域です。

一方で見積作成に社長ご自身が月12時間を使われている点は、金額インパクトが最も大きい項目です(月9.6万円相当)。ここは全自動にはできませんが、過去の類似案件を探す時間は大きく削れます。

2. 業務の棚卸し(現状)

業務 担当 月間
時間
時間
単価
月間
コスト
AI化
適性
現状のやり方と、時間がかかっている理由
受注処理
(注文書→Excel転記)
事務A 32h 2,200 70,400 FAX2割・メール8割で届く注文書を目視でExcelへ手入力。取引先40社で書式がすべて違い、型番の表記も揺れる。
作業日報の集計
(紙→Excel)
事務B 24h 2,200 52,800 製造21名分の紙日報を月末にまとめて入力。字が読めない箇所は本人に聞き直しが発生。
問い合わせ・納期回答 事務C・営業 20h 2,500 50,000 「あの件どうなってる」への都度回答。同じ内容を毎回書き直している。現場に聞かないと答えられない案件も混在。
見積作成 社長 12h
営業 6h
18h 8,000
3,000
114,000 過去の類似案件を年月別フォルダから記憶を頼りに探す。探す時間が積算そのものより長い。
材料発注・在庫確認 事務C・製造長 14h 2,800 39,200 Excel台帳と現物が合わないため、結局は倉庫で現物を数えている。台帳の精度以前の問題。
請求書作成・発送 事務A 12h 2,200 26,400 締め後3日で40社分。受注Excelを見ながら弥生へ再入力(二重入力)。
図面・仕様書の検索 社長 4h
製造長 6h
10h 8,000
3,500
53,000 共有フォルダとキャビネットに分散。命名規則がなく、結局「前に似たのを作った人」に聞いている。
勤怠集計 事務B 8h 2,200 17,600 タイムカードを月末にExcelへ手入力。残業時間の計算式も毎月手直し。
合計 138h 423,400 年間 5,080,800円

時間単価は「給与+社会保険料+間接費」を含んだ会社としての負担額です。事務2,200円/営業3,000円/製造長3,500円/社長8,000円で計算しています。
月間時間はヒアリングでの申告値であり、実測ではありません。着手前に2週間の実測をおすすめします(申告値は実際より少なめに出る傾向があります)。

3. AI化の優先順位と削減見込み

「効果が大きく、かつ早く出せる」順に並べています。いちばん下の材料発注は、今回は削減0で計上しています。

優先 業務 打ち手 現状 想定 削減
時間
削減額
(月)
1 受注処理 注文書のPDF/FAX画像をAIが読み取り、Excelへ自動起票。人は差分の確認だけ。書式が違う40社分はAI側で吸収する。 32h 8h -24h -52,800
2 作業日報の集計 紙の日報をスマホで撮影→AIが読み取り→自動集計。日報の書式統一が前提条件(この作業は当社で巻き取ります)。 24h 4h -20h -44,000
3 見積作成 過去見積をAIが検索し、類似案件と当時の単価を提示。積算と最終判断は社長。探す時間だけを削る。 18h 9h -9h -57,000
4 問い合わせ・納期回答 受注データを参照して返信の下書きをAIが自動生成。送信は必ず人。現場確認が要る案件は下書きしない。 20h 12h -8h -20,000
5 勤怠集計 タイムカードの読み取り自動化と、計算式の固定化。 8h 1h -7h -15,400
6 図面・仕様書の検索 既存ファイルに命名規則を付け直し、AI検索で「似た図面」を引けるようにする。 10h 5h -5h -26,500
7 請求書作成・発送 受注Excelから請求データを自動生成し、二重入力をなくす。 12h 7h -5h -11,000
材料発注・在庫確認 今回は対象外。台帳と現物が合っていない状態でAIを載せても、間違ったデータが速く出るだけです。まず現物と台帳を合わせる運用の見直しが先で、これはAIの仕事ではありません。 14h 14h 0h 0
削減見込み 合計 138h 60h -78h -226,700

年間削減見込み: 78時間 × 12か月 = 936時間 / 226,700円 × 12か月 = 2,720,400円。削減時間は「作業がゼロになる」前提ではなく、確認・例外処理の時間を残したうえでの見込み値です。

4. 導入ロードマップ(6か月)

すべてを同時に始めません。1か月目に効果が出るものから着手し、現場が慣れてから次へ進みます。大きく始めて放置されるのが、AI導入でいちばん多い失敗です。

1〜2か月目 受注処理の自動化 -24h/月
2〜3か月目 作業日報の集計自動化 -20h/月
3〜4か月目 見積のAI検索・勤怠集計 -16h/月
4〜6か月目 問い合わせ返信・図面検索・請求書 -18h/月

5. 費用と投資回収

AI化顧問契約(月20万円・6か月)で試算した場合

顧問料(月20万円 × 6か月) 1,200,000円
AI利用料等の実費(月5,000〜15,000円程度・実費請求) 60,000円
初期費用 0円
6か月間のお支払い 合計 1,260,000円
削減効果(月22.6万円 × 6か月) 1,360,200円
差引(6か月時点) +100,200円 のプラス

この試算の読み方

6か月の顧問期間中に、お支払いいただく費用は回収し終わります(回収期間 約5.6か月)。重要なのはその先です。顧問契約が終わっても仕組みは御社に残るため、7か月目以降は年間272万円の削減がそのまま残り続けます。顧問料は毎月の固定費ではなく、6か月で恒久的な削減を作るための投資としてお考えください。

採用と比べた場合も同じです。この138時間を人で埋めるなら事務員をもう1名(月28万円+採用費)となり、その方が辞める・休む・引き継ぎが要るのに対し、仕組みは辞めません。

6. この診断でお約束できないこと